北星プレコン社宅は、明延北部の北星地区にあるコンクリート製の住宅です。
1棟で2階建て2戸、内部は六畳･八畳･台所など合計26畳ぶんの広さがあります。

”プレコン”とは、”プレキャストコンクリート”という工法の事で、予め工場で 作った外壁用の
コンクリートパネルを現地に輸送し、そこで組み立てるというものです。
その為、工期の大幅な短縮化が見込める、当時としては先進的な技術でした。

当時の明延は三菱系主力鉱山であり、増加する鉱山従業員とその家族の為に、社宅の増設が
行われており、昭和29年の北星地区に建設されたこのプレコン社宅を皮切りに、明延各所にも
プレコン工法を用いた社宅が整備されてゆきました。

後に社宅以外にも協和会館(現存)や明延病院(現存せず)、そして神子畑にも小学校体育館(現存)
などが建設されてゆき、このような革新的技術が次々と導入されていった当時の明延鉱山が
いかに日本の鉱業の中心的地域の一つであったかを窺い知る事ができます。